日本は四季折々の風物詩が魅力的な国であり、それぞれの季節に合わせた行事や二十四節句があります。
毎年同じ時期に他の人たちと同じ経験や時間を過ごすことで、自分自身を取り巻くさまざまな出来事に気づき、充実した経験を得ることができます。年中行事は、私たちの暮らしや人生に彩りを与えるものなのです。
暦を眺めることで、日常の生活にも色鮮やかな日本の文化が浮かび上がります。 今回は、2月に行われる行事や風物詩、二十四節句に焦点を当て、その魅力や歴史についてご紹介します。
如月とは
その由来は諸説あり、陽気が更にやってくるので“気更来”という説や草木や花の芽が出始め春の訪れを感じることのできる季節ということから“草木張月”が変化したという説があります。
2月の二十四節気
二十四節気は、春・夏・秋・冬の各季節をさらに細かく区分けするもので、季節の移り変わりを示すものです。2月には、「立春」と「雨水」という2つの節気があり、春に向け寒さも少し和らぐ頃です。
立春
立春は2月4日頃に訪れるとされており、一年の始まりとされる節気です。この時期は、まだ寒さはありますが、春が近づいていることを感じさせる季節です。また、立春の日には、春を迎えるためのお祝いや、新しいことを始めるには良い日とされています。 立春は、季節の変わり目であり、冬から春への移行期にあたります。春の訪れに備え、日本では様々な行事や習慣が盛りだくさんです。
立春の日に、玄関に「立春大吉」と書かれたお札を貼ると厄除けになると言われています。「立春大吉」は、左右対称で裏からみても「立春大吉」と読めます。これは鬼が入ってきて振り返った時に、「立春大吉」というお札をみて、まだ家の中に入ってきていないと勘違いをして出ていったという言い伝えから、「立春大吉」のお札をはることで、邪気を祓い無病息災を願う風習となりました。
雨水
雨水は2月19日頃に訪れるとされており、雪が雨に変わり始める時期を意味します。この時期は、寒さが和らいできて春の足音が近づいてくることを感じることができます。 また、雨水の季節は、植物が芽吹き始める時期でもあります。梅の花が開き始め、春の花々が咲く兆しを感じさせる季節です。
古来の人々は、春の雨や雪解け水で大地が潤うこの時期を、農耕の準備をはじめる目安としていました。
2月の年中行事と風物詩
旧正月
旧正月は、立春に最も近い新月の日で、旧暦は月の満ち欠けに基づいた暦です。先人たちは、この満ち欠けから季節の流れを確認し、暦を作りました。
1000年以上も続く旧暦は、今も私たちの暮らしに根付き、季節の行事や農事、神社の年中行事、地域の祭りなどに受け継がれています。
節分
節分の由来は諸説ありますが、季節の変わり目には体調を崩す人が多いことから「体調不良=邪気(鬼や災厄)」として、体調不良をもってくる鬼が家の中に入ってこないように、豆をまいたり、柊鰯を玄関に飾ったりしました。
また、昔は「立春正月」と呼ばれる風習もあり、その前日の節分は一年の最後の日とされていました。立春には神さまが訪れると信じられ、神さまを迎えるため、豆まきや柊鰯の飾り付け、邪気(鬼)を祓い、清らかな空気で神さまを迎える準備をしていました。
初午
2月に入って最初の午の日が「初午」となります。由来は伏見稲荷大社の創建711年(和銅4年)、2月初午の日であるとされています。 この1300年前の初午の日、伏見稲荷大社を創建した秦伊呂具(伊呂巨)がお餅で作った的に矢を射ると、白鳥となって伊奈利山(現在伏見稲荷大社のある稲荷山のこと)に飛んでいきそこに稲が生えたそうです。この「稲が生る」が「稲生(いねなり)」になり「稲荷(いなり)」という言葉が生まれたとされています。
針供養
2月8日に行われる針供養は、使えなくなった針に感謝の意を表し、裁縫の上達を願う行事です。特に女性にとっては重要な行事とされており、家庭の平和を祈願するとともに、針仕事の腕を磨くことが期待されます。 また、針供養は、家庭ごとに行われるものであるだけでなく、神社やお寺でも針供養の行事が行われています。(地域によっては、12月8日に行われています)
紀元節・建国記念の日
紀元前660年2月11日、日本の初代天皇の神武天皇が橿原宮で、初めて天皇の位に就かれた日であり、この日が日本のはじまりとして祝日(紀元節)として明治初期に定められました。
神武天皇が即位した日を日本の建国された日としてできた「紀元節(きげんせつ)」は、戦後に祝日ではなくなりましたが、紀元節を復活させようという動きが高まり、反対する動きを抑え建国を記念するための祝日を設けることとなりました。その際「紀元節」から「建国記念の日」に名称を改正され、「建国をしのび、国を愛する心を養う日」と1966年に国民の祝日に認められ、翌年から適用されました。
祈年祭
祈年祭とは、2月17日に執り行われるお祭りで、「としごいのまつり」といい、「とし」は稲の美称で、「こい」は祈りを意味し、古来より年の初めに、穀物の豊穣を祈るお祭りです。
収穫の秋に豊かに稔った新穀を神前に供え、神様の恵みに感謝する新嘗祭(にいなめさい)と対をなすお祭りです。
いかがでしたでしょうか。日本の2月にはさまざまな行事や二十四節気があります。それぞれの行事や季節の二十四節気を意識して過ごすことで、季節の移り変わりをより深く感じることができ、心豊かな毎日を過ごすことができます。
これからも、日本の四季折々の風物詩や行事を、こちらのブログでご紹介していきたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※由来には色々と諸説あるものがあります。ここでご紹介しているものは、私が素敵だなと思ったものを独断で選び記載していますのでご了承くださいませ。
よくある質問
2月の日本の主な行事やお祭りは何がありますか?
2月には節分、初午と稲荷神社の祭礼、針供養などが行われます。
節分はどんな行事ですか?
節分は2月3日に行われ、家族が豆まきをしたり、恵方巻を食べたりする行事です。邪気払いとして鬼を追い出し、福を呼び込むために行われます。
2024年と2025年の旧正月はいつですか?
2024年の旧正月は2月10日(土)。2025年は1月29日(水)になります。