十二支(干支)は12匹の動物から成り立っていて、新年になるとその年の十二支の置物を飾ったりする風習が日本にはあります。
十二支は動物のことと思っている方が多いと思いますが(私もそう思っていました)、十二支は動物のことではなく、元々は植物の成長過程を意味するものだということをご存知でしょうか?
これは気になる!と思い、
今回は、それぞれの十二支と植物の成長過程について調べてみました。
十二支と植物の成長過程
十二支は、元々動物ではなく、季節の変化を植物が表現する「滋」「紐」「演」「茂」「伸」「巳」「仵」「味」「身」「老」「脱」「核」の12段階が基になっています。これらは後に音や韻が似ている動物の名前に変わり、現代に伝わる動物の十二支となりました。
1.滋→子(ネズミ)
新しい生命が種子から誕生する状態。
動物:子(ね)/ネズミ
ネズミは繁殖力が高いことから、子孫繁栄の象徴とされています。
2.紐→丑(ウシ)
芽が種子の内部から出ようとする状態
ウシは古来から農耕作業の手伝いをしたりと、人々の生活には欠かせない動物でした。ウシは力強さの象徴で、粘り強さや誠実さを象徴しています。
3.演→寅(トラ)
草木が土から芽をだす状態
動物:寅(とら)/トラ
トラは勇猛果敢な動物。その勇ましさから、決断力の象徴とされています。
4.茂→卯(ウサギ)
草木が成長し、少し地面を覆う状態
動物:卯(う)/ウサギ
ウサギの特徴といえば跳躍力。飛躍や向上という意味も込められているそうです。
5.伸→辰(タツ)
草木がよく育ち形が整った状態
動物:辰(たつ)/竜
十二支の中で唯一空想上の生き物ですが、中国において龍は生活に密接し、古代から龍といえば権力の象徴でした。日本でもその影響を受け、辰は権力の意味合いを持っています。
6.巳→巳(ヘビ)
万物が繁盛の極みになった状態・草木が成長しきった状態
動物:巳(み)/ヘビ
ヘビは脱皮を繰り返して成長するため、永遠や生命、再生の象徴とされています。
7.忤→午(ウマ)
万物が最盛期を終え成長が止まり、衰え始める状態
ウマはウシと同様に、古来から農耕作業の手伝いをしたりと、人々の生活には欠かせない動物でした。ウマは、「健康」や「豊作」を象徴する動物であると言われています。
8.味→未(ヒツジ)
草木が成熟して実がなりはじめる状態
動物:未(ひつじ)/ヒツジ
ヒツジは、群れで行動することを好む動物です。このような特徴から、「家内安全」や「平和」の象徴とされています。ヒツジは穏やかな性格であるため、未年は穏やかな1年になるという言い伝えもあります。
9.身→申(サル)
実が成熟して大きくなっていく状態
知能が高いサルは、山の神様の使いであると信じられてきました。サルは「賢者」の象徴であると言われ、それらの特徴から、「器用」「臨機応変」などの意味も込められています。
10.老→酉(トリ)
実が成熟し熟した状態
トリは、特にニワトリのことを指していると言われています。金運に関わる生き物として、昔から人々に親しまれ、トリは「取り込む」ことに繋がるため、「商売繁盛」の象徴とされています。
11.脱→戌(イヌ)
実が滅びゆく状態・枯れて土に帰り、次の芽を守る姿の状態
イヌはウシ・ウマと同様に、人々と生活をともにしてきました。飼い主に忠実な動物であるイヌは「忠義」の象徴です。イヌには魔を祓う力があるとも言われています。
12.核→亥(イノシシ)
万物の生命力が凋落し、種子に生命力を閉じ込められた状態
イノシシの肉は万病に効くと考えられてきたため、「無病息災」の象徴とされています。
「十二支」と「干支」の違い
「干支」は十二支と同じく、子、牛、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥を指すことがあります。しかし、正確には、「干支」は本来、「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を指し、合わせて60通りの組み合わせがあります。
いかがでしたでしょうか?十二支は、もともと植物の成長過程を表したものを、よりわかりやすくするために、現在の動物になりました。
よく見ると、漢字が似ているものがたくさんありますよね。今まで何気なく知っていたものを深掘りしていくと面白いところへ繋がっていくことがとても多いです。これからも自然のことや日本について学びを深め、こちらのブログでご紹介していきたいと思います。