香りの歳時記(菖蒲湯・端午の節句)

香りの歳時記(菖蒲湯・端午の節句)
この記事はだいたい 4 分前後で読めます。

5月5日の端午の節句(こどもの日)に欠かせないのが「菖蒲湯」です。

古くから邪気祓いや無病息災を願って楽しまれてきた菖蒲湯。調べ始めたら、とても興味深い歴史がありました。

この記事では、菖蒲湯の歴史をご紹介していきます。

菖蒲湯の歴史

元々日本には、「五月忌み」と呼ばれる行事がありました。田植えを始める頃、早乙女と呼ばれる若い女性たちは、田の神様のために仮小屋や神社などにこもり、身を清め、田の神を迎える準備をしていました。

一方、古代中国では、月初に厄払いをする行事があり、旧暦5月は梅雨時期にあたり体調を崩す人々が多かったことから、菖蒲やよもぎなどの香りの強い草を使って厄払いをしていました。

これらの二つの風習が融合し、日本で広まる中で、江戸時代になると武家の力が強くなり、菖蒲が「尚武・勝負」に通じることから、男の子の健やかな成長を願う風習が生まれました。

菖蒲湯の効能と楽しみ方

古くから、菖蒲湯には邪気を払い、病魔を防ぐ効果があると信じられてきました。菖蒲の強い香りはリラックス効果をもたらし、心身を清めてくれます。近年では、菖蒲湯に入る家庭は少なくなっているものの、菖蒲の香りがもたらす効果や男の子の健やかな成長を願う言い伝えは、依然として注目されています。

菖蒲湯は、古くからの伝統行事であると同時に、現代の生活にも取り入れやすい風習です。菖蒲の香りに包まれながら、家族そろって健康と成長を願うひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

菖蒲湯の入り方

準備

  1. 菖蒲をお花屋さんかスーパーなどで用意します。香りは葉から、血行促進や保温効果は茎や根っこの部分になります。一般的には10本程度用意し、束ねておきます。細かく刻んだものを使用する場合は、ネットを袋などを使い、風呂釜などに詰まらないよう注意してください。
  2. 浴槽に水と菖蒲を入れ、少し高めの温度(約42℃~43℃)に沸かします。お湯が温かくなる前に入れることで、香りがより一層引き立ちます。その後、お好みの温度に調整して入浴してください。

ポイント

  • 菖蒲の代わりに、ヨモギなどの薬草を入れても楽しめます。
  • 長時間菖蒲を浸しておくと、色が茶色く濁ってしまうことがあります。早めに取り出すようにしましょう。
  • 入浴後は、よく体を洗い流してください。

その他

  • 菖蒲湯には、邪気払い、無病息災、血行促進、疲労回復などの効果があると言われています。
関連記事
image
5月(皐月・さつき)日本の行事と二十四節句を楽しもう!歴史と魅力を解説 日本は四季折々の風物詩が魅力的な国であり、それぞれの季節に合わせた行事や二十四節句があります。 毎年同じ時期に他の……

TOPへ